唯一無二のクジラ体験!五感で学べる体験型博物館 「太地町立くじらの博物館」 | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2024.01.24

唯一無二のクジラ体験!五感で学べる体験型博物館 「太地町立くじらの博物館」

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和歌山県にある東牟婁郡太地町は、400年以上にわたってクジラと深く関わってきた「くじらの町」として知られています。そんな太地町にある、太地町立くじらの博物館は、クジラ専門の博物館として全国でも数少ない施設です。

くじらの博物館は、1969年に太地町の400年の捕鯨の文化や歴史を後世に伝えること、鯨類の生態学的資料を集めて研究に生かすこと、捕鯨業にかわる太地町の観光産業になることを目的に建てられました。今はその3つの目的を受継ぎながら、地域の社会教育施設として機能するように、誰もが平等に楽しみながら学べる博物館を目指して活動をしています。

くじらの博物館本館には、捕鯨に関する資料や鯨類の生態に関する資料が数多く展示されています。他にも、クジラやイルカを中心とした熊野灘に生息する様々な生き物を間近に見ることができる施設や、ショーやふれあい体験なども充実しており、目で見て触って楽しめる体験型博物館となっています。

天井からつるされた全身骨格標本

圧巻の骨格標本と等身大模型

館内に入るとまず目に入るのが、天井から吊るされたセミクジラ、コククジラ、ホッキョククジラ、シャチ、イチョウハクジラの全身骨格標本です。館内に展示されている骨格標本は全て実物でずらりと並んだ様子は圧巻の光景です。

本館内に展示されている数多くの骨格標本の中でも一番大きな骨格標本は、1968年に特別な許可を得てオホーツク海で捕獲されたオスのセミクジラのものです。この標本が生きていた時の様子を再現したものが実物大模型として一緒に展示されています。体の大きさは約15.2メートルとのことで、クジラの大きさに驚かされます。

2階には、骨格標本となったオスと同時期に捕獲されたメスから採集された内臓などの標本が液新標本として展示されています。苦手な方もいるかもしれませんが、実物の内臓の大きさや形を見ることでクジラの体のつくりやオスとメスのちがいについて知ることができます。

クジラの生態について学べる体感型展示が楽しい

2階展示室には、クジラの生態について楽しく学べる体験型の展示もたくさんあります。

クジラの引き出し

水中マイクでインタビュー

開くとクジラの種類が

クジラとサメの肌を触って体感

「クジラのふしぎ大発見展」のコーナーでは、開けるとクジラの種類や大きさ、分布域について知ることができるヒゲクジラとハクジラの引き出しや、イルカがコミュニケーションに使用する鳴音を聞くことができる「水中マイクでインタビュー」、サメとクジラの肌を触って比較できるものなど、子どもからおとなまで体感して楽しく学べる展示内容となっています。

クジラの進化の過程のジオラマ
クジラの耳垢
セミクジラのヒゲの実物標本
クジラヒゲでつくられた茶室天井

常設展示ではクジラが陸の生物から海の生物になる進化の過程がわかる模型や、年輪のような層を数えることで年齢がわかる耳垢の標本、クジラヒゲがどのように生えているかがわかるセミクジラのヒゲの実物標本、クジラヒゲでつくられた茶室天井など、様々な角度からクジラについて知ることができる内容となっています。興味がないという人でも見ごたえ十分の展示となり満足できること間違いなしです。

人とクジラと関わり

3階は人とクジラのかかわりを物語る様々な歴史資料を展示しています。400年以上もの間、クジラと関わってきた太地町ならではの内容となります。

“鯨舟 形と意匠”の展示では、鯨舟に関する古い資料をもとに太地出身の日本画家の“土長けい”さんが新たに描き下した意匠図をみることができます。太地の鯨舟は「太地鯨組ほど豪華絢爛に舟を塗ったものはない」と言われるほどのもので、色鮮やかに描かれた当時の鯨舟の美しさに驚かされます。この意匠図が100年200年先に貴重な資料として残っていくのではないでしょうか。

中でも珍しいものが写真(上)の勢子二番舟の水押(舳先)と勢子五番船の棚板(舷側板)の2点です。
太地町に現存する数少ない一次資料として、大変貴重な資料となっています。

古式捕鯨の道具
近代捕鯨の道具

他にも古式捕鯨の道具や近代捕鯨の道具が展示されています。捕鯨で使う道具がどのように変化していったのかを知ることができる展示となっています。

米国式捕鯨図

それぞれの国が語る日本、アメリカ、ノルウェーの捕鯨について

特別展示の”最後の刃刺“では日本、アメリカ、ノルウェーの捕鯨について、各国の捕鯨博物館の学芸員が解説し、それぞれの国の解釈で自国の捕鯨文化について紹介していることが見どころです。

この特別展示は、日本の古式捕鯨→アメリカ式捕鯨→ノルウェー式捕鯨の順で展開されており、捕鯨の変遷が一目でわかる見応え抜群の内容となっています。

他ではないクジラショーや餌やり体験が楽しめる

施設内ではイルカショーやクジラショーが楽しめます。中でもクジラショーは3種のゴンドウが一堂に会す全国でも珍しいショーとなっています。5m近くあるクジラのショーは迫力満点です。

人と見比べるとクジラの大きさを実感できます。

オキゴンドウ
白変種のハナゴンドウ

ショーのあとはクジラやイルカとの餌やり体験やふれあい体験(*)が楽めします。

*イベントは別料金
*動物の状況や天候によって変更する場合がございます。詳しくはお問い合わせください(TEL 0735-59-2400)。

アルビノのバンドウイルカ ©太地町立くじらの博物館

ショーエリアの奥にある「海洋水族館マリナリュウム」にはトンネル型の水槽がありカズハゴンドウ、シワハイルカ、マダライルカや全身真っ白なアルビノのバンドウイルカを見ることができます。アルビノのイルカの飼育は世界で2例目となり貴重です。
他にも魚類や甲殻類やクラゲなどの展示もあり、間近で太地の海の生き物を見ることができます。

展示:さわってまなぶ くじらのからだ

様々なアイデアで誰でも楽しく学べる博物館

太地町立くじらの博物館ではユニバーサル・ミュージアム(※)の考えを導入して、展示方法には様々なアイデアがちりばめられています。写真(上)の「さわってまなぶ くじらのからだ」の展示は模型の土台を回すと“生きているときの姿”から“骨になった姿”に変化する展示です。目の見えない方でも模型を触ることでイメージが湧かせることができ、比較しながら学べます。展示の高さを低くして展示台の下にスペースを作ることで、小さいお子さんや車椅子の方でも近寄って展示を見ることができるように工夫されています。
施設内は日本語、英語、中国語、タイ語の4か国語に対応した音声ガイドの貸し出しサービスもあり、海外の方でも楽しめます。また、家族連れの方に向けて、男女関係なく使える個室の授乳室も設置されています。子どもからおとなまで国籍も関係なく誰もが安心して博物館体験を楽しめるように様々な場所に工夫がちりばめられています。

※ユニバーサル・ミュージアム…誰もが楽しめる美術館・博物館

現在、1階の大ホールでは、企画展「鯨と人の営み展」を開催中です。こちらも是非ご覧ください。

実際に触れ合って、博物館では生態や人との関わりについて知ることができる、ここでしかできない唯一無二のクジラ体験をしてみてはいかがしょうか。

▶太地町立くじらの博物館
【HP】太地町立くじらの博物館
【開館時間】8:30~17:00】
【休館】年中無休 
※情勢の変化及び悪天候などにより臨時休館となる場合があります。
※ショーやイベント等は天候及び動物の状況によって内容の変更や中止となる場合があります。

※詳細はお問い合わせください。

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