標本×映像の融合!特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」で体感するいきものたちの生存戦略 | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2026.09.30

標本×映像の融合!特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」で体感するいきものたちの生存戦略

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東京・上野の国立科学博物館で開催されている特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」。地球誕生から現代に至るまで、目まぐるしく変化する環境に適応してきたいきものたちの「驚きの能力や戦略」を、豊富な標本・資料とともに紹介する大規模な展覧会です。

今回は、本展の総合監修を務められた国立科学博物館の田島木綿子研究主幹にお話を伺いました。NHKの自然番組『ダーウィンが来た!』との共同企画によって実現した展示の舞台裏から、会場内各所に散りばめられたクジラ展示の見どころをご紹介します。

国立科学博物館の標本×NHKの映像。3年の歳月をかけて誕生した共同企画の舞台裏

本展は、NHKの自然番組『ダーウィンが来た!』の放送20周年を記念した特別企画として立ち上がりました。約3年という長い歳月をかけて企画会議を重ね、膨大ないきもののなかから生存戦略に焦点を当てて、現在の6つのテーマへと絞り込みが行われました。

昆虫から哺乳類、無脊椎動物、脊椎動物にいたるまで、ありとあらゆる多様な種類のいきものを一堂に集めた本展は、監修者からも「こんなに色々ないきものが出る展示はなかなかない」と言われるほど贅沢な展示内容となっています。

展示制作における最大のこだわりは、国立科学博物館が所蔵する充実した標本・コレクションと、NHKが長年蓄積してきた膨大な映像アーカイブを融合させた点にあります。会場内の随所で写真や映像がふんだんに活用されており、お互いの得意分野を最大限に発揮した見応えのある展示空間が実現しています。

また、本展のオリジナルキャラクターとして、番組でお馴染みの「ヒゲじい」とコラボレーションした「くじらじい」が誕生しています。会場内において来館者と同じ目線で質問を投げかける「ヒゲじい」に対し、「くじらじい」は案内役を担っています。展示の「驚きポイント」や、いきものたちの不思議な生存戦略をわかりやすく、丁寧に紹介してくれる親切なナビゲーターとして、会場内の各所に配置されたノート型パネルで解説を担当しています。ご来館の際はぜひ注目してみてください。

「人間もいきものの一員」固定概念を覆すコンセプトと展示の工夫

本展の総合監修を務める田島先生が、何よりも大切にしたのが「会場に来てくれたお客様に、人間もいきものの一員なんだという当たり前のことを思い出してもらうこと」です。「自分たち人間は他のいきものとは違う存在なんだ」という、大人がついつい持ってしまいがちな壁を取り払いたいという、研究者としての熱い想いが込められています。

その想いは、展示解説の言葉選びにも表れています。あえて子どもだからと言葉を易しくしすぎず、専門的な解説をそのまま残す方針をとりました。一見難しそうに思えますが、分からない言葉があるからこそ、「どういう意味だろう」と家族みんなで会話が弾んだり、新しい発見が生まれたりするきっかけになってほしい、という優しい意図が隠されています。

さらに、いきものたちが暮らす空間の造形にも工夫が施されています。地中に暮らす動物のエリアでは、あえて地中を再現した暗い造りの中に標本を展示し、空を飛ぶ動物は空中展示にするなど、実物に忠実な見せ方にこだわりました。「子どもたちに対して、なるべく嘘をつかない展示にしたい」という想いが、会場のあちこちに散りばめられています。

大迫力の「イマーシブシアター(没入型映像)」も、ただの楽しいバーチャル体験で終わらせるのではなく、いきものへの興味を深める入り口として作られています。潮の匂いや波の冷たさなど、その場所に行って五感で感じた感覚は非常に脳に残るものであり、実際に体験しないと分からないことが山ほどあります。だからこそ、この大迫力の映像をきっかけにして、最終的には実際の現場(フィールド)へ足を運んで体験してほしいという願いが込められているのです。

全体に散りばめられたクジラ展示とクジラファン必見のスナメリの「イボイボ」研究成果

クジラに関する展示は、会場内全体を通して各章のテーマごとに要所要所で配置されています。会場内には、シロナガスクジラの実物大CGをはじめ、シャチの骨格やレプリカ、スナメリのレプリカ、ザトウクジラの胸ビレ、マッコウクジラの頭骨、スナメリの胎児、イルカのエコロケーションなど、多様な標本が各ストーリーに沿って展開されています。そのため、会場内のどこを歩いていても、クジラを中心にした目線で全ての章を新鮮に楽しめる面白い構成となっています。

なかでもクジラファンにとって興味深いのが、3章の「いきものの挑戦『サイズ』適応術」をテーマにしたエリアです。かつては陸上で暮らす動物だったクジラの祖先が、海へと生活の場を移していく過程で、なぜ世界最大の哺乳類と呼ばれるほど巨大化できたのか、その進化の歴史をじっくりと考えるきっかけが用意されています。

そして、今回の取材のなかでクジラファンなら見るべき一番のポイントが、1章「いきもので異なる『五感』」に展示されている最新の研究成果が明かされているスナメリの展示です。クジラやイルカの仲間のなかでも、背びれを持たず、代わりに背中の正中線に沿って小さな「イボイボ(角質の突起)」が並んでいるのは、スナメリだけに見られる非常に独特な特徴です。

このスナメリにしかないイボイボが、一体何の役割を果たしているのか。今回の研究によってその未知の謎の一端が解明され、本邦初公開の研究発表として展示されています。会場へ足を運んだ際は、ぜひこのスナメリだけの不思議な背中に注目し、じっくりと観察してみてください。

限定グッズの注目ポイントと、田島先生が未来へ託すメッセージ

会場に併設された特設ショップでは、本展オリジナルグッズも多数展開されています。なかでも、本展オリジナルキャラクターである「くじらじい」をモチーフにしたトートバッグなどは、ここでしか購入できない限定品として注目を集めています。親しみやすいキャラクターのアイテムが揃っていることもあり、クジラファンにとっても必見のコーナーとなっています。

取材の最後に、総合監修を務められた田島先生から、この記事を読んでいる読者の皆様へ向けて、未来へ託す温かいメッセージをいただきました。

「私たち研究者はいきものたちの代弁者の1人でしかありませんが、ぜひ会場に足を運んで、驚きと感動に満ちたいきものたちの面白いワールドに触れていただきたいです。そして、展示を見て終わりにするのではなく、見終わった後も日常生活のなかで『あれはどういうことなんだろう』と、自ら進んで考えたり問いを持ったりする習慣を、特に子どもたちには身につけてもらえたら嬉しいです」

会場でたくさんのいきものたちの生存戦略に触れた記憶は、家に帰ってからも周りの自然や環境について深く考える、大切なきっかけを与えてくれます。ぜひこの機会に、国立科学博物館へ足を運び、標本と映像が織りなす壮大な世界を体感してみてはいかがでしょうか。

【開催概要】
展覧会名:特別展「いきもの超ワールド展 国立科学博物館×ダーウィンが来た!」
Special Exhibition : Super amazing world of Life

会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
   〒110-8718 東京都台東区上野公園7-20
開催期間:2026年7月11日(土)~ 10月12日(月・祝)
開館時間:9時~17時(入場は16時30分まで)
休館日:9月14日(月)、24日(木)、28日(月)

※土日祝日はオンラインによる事前予約をおすすめします。
※詳細は公式ホームページをご確認ください。

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