おしかホエールランドの新トピック展示『鮎川 鯨のミュージアム〜復興への航路〜』。日本初の鯨館から続く、鮎川と鯨の歴史をご紹介! | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2026.09.02

おしかホエールランドの新トピック展示『鮎川 鯨のミュージアム〜復興への航路〜』。日本初の鯨館から続く、鮎川と鯨の歴史をご紹介!

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宮城県石巻市鮎川浜にある、国内屈指のクジラ専門ミュージアム「おしかホエールランド」 。古くから沿岸捕鯨の基地として栄え、人々の暮らしは常にクジラと共にありました 。
そんなおしかホエールランドで、2026年8月1日から新しいトピック展示「鮎川 鯨のミュージアム 〜復興への航路〜」がスタートしています。
今回は、おしかホエールランドの漆間ほのかさんへの取材をもとに、今回の展示に込められた想いや歴史の歩み、展示の詳細について深く掘り下げてご紹介します。

15年ぶりに鮎川へ帰ってきた「セミクジラ頭骨標本」

東日本大震災から15年目という大きな節目を迎えた今年、今回のトピック展示を立ち上げる最大のきっかけとなった出来事がありました。それが「セミクジラ頭骨標本」の、15年ぶりとなる鮎川への帰還です。
この標本は、1956年から1963年の間に科学研究目的で行われた特別調査によって捕獲された13個体のうち、最初の1個体だと考えられている歴史的に極めて貴重なものです。かつて鮎川町立鯨博物館や牡鹿町立鯨博物館に展示されていましたが、震災によって保管場所が被災し、下顎骨が一部破損しました。その後は外部施設で長年保管され、搬入方法やスタッフ確保の難しさから、何度も持ち上がった帰還計画はそのたびに保留となっていました。
この停滞を動かしたのが、外房捕鯨株式会社鮎川事業所の、大壁所長の一声でした。「従業員とトラックを貸すから、セミクジラを鮎川に戻そう」。

そして今年の2月、外房捕鯨株式会社や行政、ホエールランドスタッフ総勢10名ほどが立ち会い、トラックに載せられたセミクジラは15年ぶりに鮎川の地を踏みました。長年この町とともに歩んできた大迫力の頭骨標本が、ついに5代目のミュージアムで堂々のお披露目を果たしたのです。

日本初から続く「5代目の歩み」と「復興への航路」

鮎川において5代目となる鯨のミュージアム、おしかホエールランドのルーツは、1930年に捕鯨会社からの出資や展示提供を受けて開館した、日本初の鯨のミュージアム「鯨館」にまで遡ります。

東北産業博覧会絵葉書(左側が鯨館。右側はアイヌ館。)

今回のトピック展示で紹介されている、1928年に仙台市で開催された「東北産業博覧会」の絵葉書は、その開館へと至る本当の原点が記録された特に貴重な展示品です。そこには、初代「鯨館」の前身となったパビリオン「鯨館」の姿が写し出されています。

このパビリオンは、当時鮎川浜で鯨肉缶詰を製造していた稲井商店が出展したもので、捕鯨船を模した建物に捕鯨会社各社から協力を得て、全身骨格標本などを展示していたそうです。この博覧会での展示をもとに、改めて場所を整備して鮎川に開館したのが初代の「鯨館」になります。

写真提供:石巻市(鮎川町立鯨博物館の内部)

その後、戦火による焼失を乗り越え、戦後は地元住民が自ら展示物を持ち寄って作り上げた手作りの「鮎川町立鯨博物館」が誕生。さらに「牡鹿町立鯨博物館」、旧おしかホエールランドを経て、東日本大震災の被害から現在の5代目が復興を遂げました。

戦争や大災害によって幾度も閉館に追い込まれながらも、そのたびに地域の人々や地元企業の手によって復活を果たしてきた歴史。展示のサブタイトルにある「〜復興への航路〜」という言葉には、震災から生き残った唯一無二の復興のシンボル捕鯨船「第16利丸」の姿、そして震災から15年が経った今も、「完全に元に戻ることはなく、今現在も復興へ向かっている」という、地域の力強い意志が込められています。

本物のクジラヒゲに触れる!子供たちがワクワクする楽しいイベント企画

おしかホエールランドでは、こうした重厚な歴史を伝える一方で、これからの未来を担う子供たちや若い世代に向けた、分かりやすく楽しいアプローチにも力を入れています。

なかでも11月末まで月に1回開催予定で、現在も大注目の定期ワークショップが「クジラヒゲでストラップを作ろう」です。
最初は皆さん不思議そうに触っていますが、実物標本やぬいぐるみを使って、クジラヒゲの位置や役割を分かりやすく説明してから体験が始まります。

実際に削ったり磨いたりする中で、お子さんたちは「軽い」「硬い」「独特の匂いがする」など素直な感想を教えてくれます 。「どんな匂い?」と聞くと「爪の匂い!」と答える子もおり、人間の爪と同じケラチンという成分でできていることを解説すると、皆さんとても驚いてくれます。
五感を使った楽しい体験を通して、クジラの生態に自然と興味を持ってもらえる工夫が満載です 。

また、この夏は「牡鹿鯨まつり」に合わせて、子供たちが夢中になって遊べる夏休みイベントも多数開催され、大変な賑わいを見せました。

カラフルなセロハンで色遊びをしながらクジラの形を学べる「光が透ける!キラキラうちわを作ろう!」や、ハナゴンドウの体特有の白い模様と花火を組み合わせた「夏だ!花火だ!ハナゴンドウなポストカードを作ろう!」。

さらに館内の巨大な全種イラスト壁面からクイズの答えを探す「クジラを探せ!~クジラ先生からの挑戦状~」など、どの企画もクジラへの興味を広げる楽しい仕掛けが満載でした。
ただの楽しい思い出づくりに留まらず、こうしたワクワクする楽しい体験を通して、クジラの文化や生態を自然と知ってもらえるような工夫が、これらのイベントや展示解説にも施されています。

東北のクジラ情報集積拠点へ。おしかホエールランドが描く未来

震災によって過去の貴重な展示資料のほとんどを一度は失ってしまったおしかホエールランド。しかし、震災後に地域の人々から寄せられた温かい寄贈や、地元の漂着鯨類の標本採集、そして仙台湾での目視調査の開始などを経て、再びクジラの資料が少しずつ、着実にこの場所へと集まってきています。

いずれは「東北でクジラのことならここにすべてが集まる」という情報集積拠点になることを目指し、未来へ向けて歩みを進めています。

館内では、お子様向けのワークショップはもちろん、大人の方も深く楽しめるような、他館にはないイベントも随時開催されます。 特に、10月3日〜4日に開催される「ホエールタウンおしか7周年祭」では、3種類の鯨肉を食べ比べて種類を当てる「利きクジラ」といったユニークな企画も予定されています。

この秋のイベントについて、おしかホエールランドの漆間さんより、以下の素敵なメッセージをいただいています。

「9月のシルバーウィーク、10月のホエールタウンおしか7周年祭とクジラが盛り沢山のイベントが続きます。おしかホエールランドでは、お子様に楽しんでいただけるワークショップはもちろん、大人の方にも楽しんでいただけるような他館にはないマニアックなワークショップやイベントも開催していますので、捕鯨の町鮎川で皆様をお待ちしております。」

ぜひ皆さんもこの秋、特別なクジラ体験を探しに、伝統と熱気が息づく鮎川の地へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

【施設・トピック展示情報】
施設名:おしかホエールランド
トピック展示:「鮎川 鯨のミュージアム 〜復興への航路〜
開催期間:2026年8月1日(土)〜11月29日(日)
(定期ワークショップは11月末まで月2回開催予定)
詳細は公式ホームページをご確認ください。

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