耳ヨリくじら情報

【焼津】静岡県立漁業高等学園(飯田益生園長)で6月19日、「捕鯨について考える」授業が行われた。当日は、横濱味紀行Fishon‐netの田中達也代表が、同園の生徒13人らに写真や動画なども交えて、鯨を通して幅広い観点から話をした。生徒は熱心に耳を傾け、知見、理解を深めた。
授業のあと、給食の時間に、北海道オホーツク産のナガスクジラの赤肉刺身と本皮の味噌漬けを試食した。鯨肉の提供は共同船舶㈱(所英樹社長)と(株)g‐next(多田雅彦社長)が協力した。

田中代表は「くじらを愛することは まず興味を持つこと。」と題して授業。ヒゲクジラと歯クジラ、イルカと鯨の違い、母船式と基地式の捕鯨種類、科学的根拠に基づき捕獲数が決まっていることなどを説明。子供のころからの鯨との出会いを童話や小説、漫画、テレビコマーシャルなど、幅広く話題提供し生徒の興味を引いた。
2024年に竣工した捕鯨母船「関鯨丸」(9299トン)については、「宇宙戦艦ヤマト」(6万200トン)や、超ド級・英海軍戦艦「ドレッドノート」(1万8110トン)と比較した。
田中代表は「愛」があれば興味が湧くこと、そのために知恵や知識があれば、課題の打開に有意に働くことを、ビジネス事例から報告。最後に、「未開拓の可能性を秘めたブルーオーシャンの水産業界に進むのは素晴らしい」と述べ、「水産を介して魚(モノ)を売るのではなく、情報(物語、コト)を提供(創出)していけばいいのではないか」と訴えた。
鯨を通して生き方を考察
授業を受けた生徒は、「水産業は漁業以外にも多くの仕事があり、たくさんの可能性があると分かった」「愛を持ち、知恵や知識で商品価値を向上させていく可能性を学んだ」「情報を鵜呑みにせず、自身でビジョンを持ってブルーオーシャンに進んでいく」「情報発信者を確認して、、内容を精査し見極める」「多くの人とのつながりが大事」などといった、単に鯨やその食文化だけではなく、生きていくための根幹への考えを深めた。
好評の鯨肉、認識深める
生徒へのアンケートでは、赤肉について「非常においしい」が11人、「おいしい」が2人。本皮味噌漬けは、「非常においしい」が8人、「おいしい」が5人だった。
個別の感想では、「鯨は臭くてまずいと思っていたがおいしかった」「おいしくてびっくりした」「初めて刺身を食べた」「馬肉のような味わいだった」「ゴマ油と塩で食べるとおいしい」「考えていたよりも少し硬かった」「想像していたよりもおいしかった」といった意見があった。また、味噌漬は「脂が乗っていておいしい」などと回答。赤肉、味噌漬とも「もっと食べたい」「販売している場所を知りたい」という意見が寄せられた。

試食に供された赤肉はg‐nextが色変わりなどを抑え、軟らかさも保つ独自の処理をした商品。数日前から低温で緩慢解凍。刺身ということもあり、特に衛生面に配慮して提供。味噌漬けも試行錯誤を重ね、同社が商品開発したもので、パックを開封すればすぐにそのまま食べられる簡便商品として規格されている。