イタリア人にも愛される本場の味を追求! 洗練された空間で新しい形の鯨食を楽しめる『LA BALENA NEL PARCO』 | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2025.02.05

イタリア人にも愛される本場の味を追求! 洗練された空間で新しい形の鯨食を楽しめる『LA BALENA NEL PARCO』

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2024年春、クジラ料理を専門に出すレストランのなかでも、群を抜いてスタイリッシュな一軒がオープンしました。お店の名前は『LA BALENA NEL PARCO (ラ バレーナ ネル パルコ)』。日本語に訳すと「公園の鯨」となり、日比谷公園に隣接して建つオフィスビル内に構えられているお店です。

運営は、世界で唯一、母船式捕鯨をおこなっている捕鯨会社『共同船舶株式会社』

オーナーは、世界で唯一、母船式捕鯨をおこなっている捕鯨会社『共同船舶株式会社』。支配人は共同船舶株式会社新規事業開発室室長を務める織田耕造さん。つまり、同店は捕鯨会社運営というユニークな形態のレストランなのです。

なお、織田さんが同社のメンバーになったのは2022年のこと。外食産業をはじめ、さまざまな業界で経験を積んできた織田さんですが、数年ぶりに同社代表の所氏と再会して、捕鯨に対する想いを直に聞いたことで、日本のクジラ文化を後世につないでいくために力添えしたいと、クジラ業界への参画を決意したのだといいます。
手始めに、同社が運営する鯨肉の無人販売店「くじらストア」の担当を任されたと同時に、クジラ料理専門レストランの立ち上げにも関わることに。当初、所氏は、他の鯨種とは異なり、熱を加えるとうまみが増すナガスクジラの魅力を前面に押し出せるよう、ステーキハウスとしてのオープンを希望していたといいますが、織田さんがもともとイタリアンレストランの経営に関わっていたこともあり、「それならクジラのタリアータ(※)を出すのがいいのでは?」と閃き、イタリアンレストランへと路線変更。最高の形でお客さんにタリアータを楽しんでもらえるよう、織田さんが親交のあった成瀬慎一郎シェフに声を掛け、同店の料理長兼食品開発担当に任命したのだとか。

※タリアータ・・・イタリアの定番の牛肉料理で、薄切りにした肉料理全般のこと。ルッコラなどの野菜やチーズと一緒に食べます。

日本各地のおいしい食材とクジラのマリアージュを楽しんでほしい

そこからは、クジラ以外の食材に関しても、日本各地のおいしいものを掘り起こす作業をスタート。さまざまな食材とクジラとのマリアージュを堪能してもらうことを意識しながら、クジラ尽くしのコースを考案していったといいます。

(Salad Lunch 1,800円 税込)

さらに、ランチタイムには、もっと気軽にクジラを楽しんでもらえるようにと、プレートランチやハンバーガーメニューにクジラを採用。単品のホットドッグなども鯨肉を使うことで、バラエティ豊かなメニューを用意しています。

ランチタイムには、同店シグニチャーのタリアータを挟んだサンドウィッチや鯨肉と相性のいいソースを使ったパスタを楽しめる

(K.S.Burger 2,500円 税込)

ランチの定番「K.S.Burger」(2,500円 税込)には、須の子を使ったハンバーグをサンド。ハンバーグというと、牛肉の場合、肩や腰などの部位の赤身が定番で、クジラの場合もやはり赤身が適していますが、クジラならではの脂肪分が少ない部位を使うのではなく、敢えて須の子にこだわっているのは、サシがない赤身を堪能できるメニューとの差別化を図るため。大きくカットされた野菜のフレッシュな食感とレアの粗挽きハンバーグの肉肉しさがとてもマッチしていてボリュームも満点です。
ちなみに「須の子」とは、クジラのおなかのシマシマの部分(畝)の内側にある、サシが入った部位で、1頭のクジラから3%程度しかとれない希少部位です。程よい霜降りで、肉の旨みだけでなく脂肪の甘みも堪能できるのが大きな特長。鯨肉本来のおいしさを堪能できるよう、ハンバーグ自体の味付けはシンプルに仕上げられています。

(ステーキサンドウィッチ 1,200円税込)

単品の「ステーキサンドウィッチ」(1,200円税込)には、同店のコンセプトを固めた際にイメージしていたタリアータをサンド。「もともとやりたかった鉄板焼きのよさをランチでどう表現するか?」を考えた結果、生まれたメニューだといいます。赤肉がたくさん入っていて一見、重そうにも見えますが、サンドされているクリームチーズと赤肉の相性がとても良く、ビーツのシャキシャキ感とマッシュルームの香りで重たすぎずバランスがいいので食が進みます。
ちなみに、ナガスクジラは前述の通り熱を加えるとうまみが増すだけでなく、オメガ3脂肪酸をたっぷり含有しているため、焼いても硬くなりにくく、噛むたびにジューシーな味わいを堪能できます。

(プッタネスカ 1,600円税込)

本日のパスタ(1,600円税込)は日替わりですが、撮影日に用意してくれたのはプッタネスカ。トマトソースにアンチョビやオリーブ、ケッパー、唐辛子などの食材を加えて作られる、ナポリ地方を代表するパスタですが、同店のプッタネスカはもちろん鯨肉入り。パスタソースを考える際は、「クジラ特有のニオイが抑えられること」も考慮しながら、肉片の大きさも調整しているといいます。
お肉自体もくさみが全くなく、ゴロゴロっと入ったお肉が柔らくてジューシーでパスタ全体の旨味を引き立てています。また、パスタの麺にもこだわり、鯨肉との相性のよさなどを比較検討するために数社のものを試して、ベストなものを採用しているのだとか。

夜のメニューはアミューズからクジラが主役

織田さんによると、同店のモットーは、「日本で古くから食べられている食材であるクジラを使って、イタリア人が懐かしさを感じるくらい本場の味を追求すること」。タリアータもパスタも何度も試作を重ねて自慢のメニューに仕上げているといいます。
また、前述の通り、夜のメニューに関しては、アミューズからごはんものまでクジラ尽くし。クジラのうまみが熟成によって引き出された「熟成ナガス鯨の欧風カルパッチョ」、同店のシグニチャー「長須特級尾肉のタリアータ」などのこだわりの逸品が満載なので、口福な時間を満喫してくださいね。

▶LA BALENA NEL PARCO(ラ・バレーナ・ネル・パルコ)
住所:東京都千代田区内幸町2-1-6 日比谷パークフロント1-A
電話:03-6550-9030
定休日:土 日 祝日
営業時間:ランチ 11:30-15:00・ディナー 17:00-22:00

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