クジラのおかげで学校が100年以上続いた⁉『くじら学校』と呼ばれる小学校とは? | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2023.10.25

クジラのおかげで学校が100年以上続いた⁉『くじら学校』と呼ばれる小学校とは?

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来年150周年を迎える新潟県上越市立上下浜小学校は『くじら学校』と呼ばれ、外観には学校のオリジナルキャラクター『YEEL(エール)君』がたくさん見られます。
上下浜小学校はクジラとどのような関係があるのでしょうか。

学校の危機をクジラが救った?

上下浜小学校には、学校が廃校の危機に陥った際に『クジラ』のおかげで助けられたという歴史があります。
明治時代末期、村が運営していた上下浜小学校は、強風の影響で倒壊しまいました。移転して再開したものの、財政難や郡役所の統合方針などあり、学校運営が難しくなり閉校の危機に陥ってしまいました。その時に神が手を差し伸べたかのようにクジラが近くの浜に打ち上げられたのです。そのクジラの肉を売って学校の建設資金に充てたことにより、学校を継続することができました。このことから上下浜小学校は「くじら学校」と呼ばれ、100年以上たった今でも学生たちはクジラや海についての学習をしています。

学校内では、いたるところで「くじら」が登場しています。
体育館に掲げてある学校の教育目標は「ふるさととくじら学校を愛し 自信をもって行動する浜っ子」

また、冒頭でも紹介した「YEEL君」は子どもたちが楽しく学ぶためのサポート役として授業内や資料などで登場していて、学校内で人気です。

現在も受け継がれる学校とクジラの歴史

上下浜小学校では、「くじら資料室」が存在し、“クジラの命をいただいて生き残った学校”という歴史を受け継いでいこうと住民や子どもたちが残していった当時の記録が展示されています。

資料室の中に入ると、当時打ち上がったクジラの骨やヒゲなどが飾ってあります。クジラの種類はナガスクジラと想定され、最大種のシロナガスクジラに次ぐ大きさのクジラが打ちあがったということがわかります。実際に展示されている骨を見ると、人間よりはるかに大きいことが実感できます。

学校全体で『くじら学校』を盛り上げる

学校では子どもたちが「くじら学校」の歴史を知ってもらおうと自分たちで資料室のリニューアルを計画したり、YEEL君のソファーカバーを作って学校に設置したりとクジラで学校全体を盛り上げていました。

また、2023年9月15日(金)に日本鯨類研究所主催の「クジラ博士の出張授業」が開かれ、4年生の児童が参加しました。日本鯨類研究所の主任研究員である後藤睦夫さんが博士となり、クジラの生態や打ちあがったクジラについて解説しました。
参加した4年生は、総合学習でクジラや海に関する学習に取り組んでおり、後藤さんが話すクジラの話に興味津々の様子でした。授業を通して、クジラについて新たに知識が増えた4年生は、その情報を資料にまとめ、他学年に発表する予定です。そうして学校全体にクジラについての話が受け継がれていくのです。

100年以上の歴史をもつ『くじら学校』は、様々なところにクジラが登場し、学校全体が史実とクジラに感謝しながら日々勉強している学校でした。

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