「青少年のための科学の祭典」2023年全国大会開催。『日本鯨類研究所』によるワークショップも盛況 | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2023.08.09

「青少年のための科学の祭典」2023年全国大会開催。『日本鯨類研究所』によるワークショップも盛況

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7月29日、30日の2日間にわたって、東京・九段下の『科学技術館』にて、「青少年のための科学の祭典」2023全国大会が開催されました。同大会が開催されるのは今夏で32年目。昨年に引き続き出展した『日本鯨類研究所』は、「クジラを知ろう!実物大のクジラがやってくる!」のテーマで、両日ともに1日6回のワークショップをおこないました。

教材として用意されたのは、クジラの種類、クジラとイルカの違い、クジラの部位ごとの活用方法などを図解した「くじらぬりえ」。同研究所の早武真理子さんが講師を務め、ワークショップに参加した子どもたちや保護者にやさしく解説していきました。

ハクジラとヒゲクジラの違いについての解説時には、実物のヒゲや歯を示すと参加者たちは興味津々。実際に触って感触を確かめられるように、参加者のテーブルに回されたため、各自、コンコンと叩いてみたり写真を撮ったりしながら、熱心に観察していました。

また、出展スペース内にハクジラのオブジェも展示されていたため、説明を聞きながら巨大クジラの口元を見上げる子どもたちの姿も見られました。

さらに、食卓に登場する肉以外の皮や骨など、クジラの身体を構成するすべての部位は私たちの生活に役立っていることが説明され、ヒゲで作られた食器、骨で作られた刀などもお披露目。早武さんによると、メルカリヤフオクなどのサイトにも出品されていることがあるそうなので、興味のある人は、いいアイテムに出逢えるかどうか探してみてもいいかもしれませんね。

お披露目されたアイテムのなかでも特にレア度が高かったのは、ダルマザメが咬みついた痕があるクジラの皮革。
“デーモン・ホエール・バイター(クジラの咬みつき魔)”の異名を持つダルマザメは、なんと生きたままのクジラの体表の一部を切り取って食べる習性があるのだとか。ダルマザメに咬まれたクジラの皮革を目の当たりにできる経験も貴重ですが、この話を聞けること自体とても貴重! 雑学として知識を得ておけば、周りの友だちに話して喜んでもらうこともできそうです。

ワークショップ終盤には、「工芸品をはじめさまざまなことに活用されるクジラですが、やはり一番は、食べてこそ捕る意味があるんです」と、命をいただくことへの感謝をみんなで一緒に再確認。そのうえで、「クジラはどんな味がするのか、実際に食べて確認してみてほしい」と参加者全員にクジラの大和煮の缶詰が無料配布されました。

その際に早武さんから披露されたマメ知識は、賞味期限の下に記されたアルファベットが、原材料のクジラの鯨種を表しているというもの。ミンククジラなら「M」、ニタリクジラなら「NI」、イワシクジラなら「I」、ナガスクジラなら「NA」、ヒゲクジラ類の混合なら「MIX」と刻印されているとの説明を受けると、みんな一斉に、自分に配られた缶詰にどのアルファベットが刻印されているかを確認していました。

『日本鯨類研究所』のワークショップ開催スペースは科学技術館1階でしたが、同館4階の多目的ホール「実験スタジアムR」では、全国大会開催期間中に、『ビハインド・ザ・コーヴ』で知られる八木景子監督の最新作『鯨のレストラン』のダイジェスト版を公開。『くじらのお宿 一之谷』の店主・谷光男さんや、『シン・ゴジラ』監督の樋口真嗣さん、東京海洋大学名誉教授の加藤秀弘さんなどのインタビューがたっぷり詰まったドキュメンタリー映画本編は、9月2日より公開予定なので、興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。


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