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千葉県南房総市のクジラ資料館『勇魚(いさな)文庫』所蔵のクジラアイテムを紹介する連載企画。第3回目となる今回は、クジラの骨を使ったアイテムを中心にご紹介します。「クジラは捨てるところがない」と聞いたことがある人は多いと思います。肉だけでなく、皮や油まで余すところなく使われるクジラですが、じつは骨からも油を採ったり肥料としたほかさまざまな用途に使われているんです。具体的にどんなものに使われているのか、早速みていきましょう。
まずは、イギリスの骨董屋で売られていたという英国製のクツベラ(写真上・手前)。中央のコームや 一番奥のグローブストレッチャー (手袋の型を整えるもの )もすべて、クジラの骨で作られています。
続いては、クジラの骨で作られた歯ブラシの柄(写真中央)。クジラのヒゲ製の舌クリーナーが付けられています(下段)。舌クリーナーが一般的に使われるようになったのはごく最近という認識の人はきっと多いはず。昔の人も舌を清潔に保つことを意識していただなんて驚きですね。ちなみに、写真上のコームはクジラのヒゲで作られています。
また、写真上のヘアーブラシは英国王室御用達のKENT社製でコククジラのヒゲで作られていたんですよ。
こちらは、三味線を弾くときに使う「撥(ばち)」(写真上) です。左はクジラのヒゲ製で先端はべっ甲、中央はクジラの骨製で先端はべっ甲です。右は義太夫節用のばちとして以前使用されており、クジラの骨製で先端は象牙です。 素材の違いがよくわかる一枚ですね。
最後に紹介するのは、歯そのもの。約4,500万年前から3,600万年前に生息していた初期のクジラ類「ドルドン」の歯の化石です。ドルドンの学名は「槍のような歯」で、その鋭い歯で魚やイカを捕食していたのだとか。どんな姿かたちだったのかが気になる人は、ぜひインターネットなどで調べてみてくださいね!
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