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2020.02.03

【日新丸&勇新丸潜入レポート前編】日本の捕鯨を担っているのはどんな船? 乗組員たちは船の上でどんな風に過ごしている? 気になる内部を大公開!

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2019年、31年ぶりに商業捕鯨が再開となったことは、連日の報道で見聞きした人も多いはず。しかし、どんな人たちがどんな船に乗って捕鯨をおこなっているかまでご存知の人は少ないかもしれません。そこで今回は、日本の捕鯨を担っている船と、そこでの仕事や生活についてご紹介します。

■捕鯨は「捕鯨母船」と「キャッチャーボート」が二人三脚でおこなうもの

現在、日本の捕鯨を担っている船は、捕鯨母船である「日新丸」と、キャッチャーボート(=捕鯨船)である「勇新丸」。勇新丸は、最初に誕生した一隻の他に「第二勇新丸」「第三勇新丸」があるので、全部で三隻存在していることになります。

「母船」、「キャッチャーボート」という言葉に耳なじみがない人も多いことでしょう。実は、沖合で捕鯨をおこなう際には必ず、母船とキャッチャーボートが一緒に移動しています。

▲勇新丸
▲日新丸

■捕鯨母船はキャッチャーボートの約11倍の大きさ

それぞれの船の大きさは、日新丸=8,145トン、勇新丸=724t、第二勇新丸=747t、第三勇新丸=742t。まずは、日新丸がいかに巨大であるかをなんとなくイメージしていただけたかと思います。

▲日新丸の大きさは8,145トンにも及ぶ

では、なぜ日新丸のみが巨大なのか? その理由は、それぞれの船がどんな役割を担当しているかと関係あります。キャッチャーボートの役割は、名前の通り、鯨をキャッチする(見つけて、捕まえる)こと。そのため、スピードを出して機敏に動けるようスリムに設計されているので、航海時は常に激しく揺れています。

■キャッチャーボートが捕獲した鯨は、すぐに母船の上で解体&冷凍処理を施す

一方の日新丸は、キャッチャーボートが仕留めた鯨を解体・加工・格納するのが役目。海からあがった鯨をその場ですぐに解体できるよう、なんと甲板の大部分にまな板が敷き詰められています。また、捕獲した鯨がどのくらいの大きさであるか計測するために、まな板の下には超大型体重計(トラックスケール)も設置されています。

▲鯨を引き上げたその場で解体できるよう、甲板にはまた板生地が敷き詰められている
▲捕獲した鯨は甲板後方から船上へと引き上げる

さらに、解体した肉を急速冷凍する設備なども完備。鮮度抜群の肉を食卓に届けるため、しっかりと処理した上で、部位ごとに冷凍されていきます。

▲解体した肉は素早く血抜きして冷凍される

■キャッチャーボートの役目は鯨を「見つけること」と「捕えること」

では、キャッチャーボートには主にどのような特徴があるかというと、鯨を探すための見張り台と、見つけた鯨を捕えるための捕鯨砲が備えられています。

そう。キャッチャーボートの役割は、「鯨を見つけること」と「鯨を捕えること」の基本的にはこの2つのみ。もちろん捕まえた後、確実に母船へ引き渡す役割も果たしています。しかし、これらはそう簡単なことではありません。遠くまで見渡せるよう、船の高い位置に設置された見張り台から下を見下ろせば足がすくみそうですし、捕獲すべきでない鯨を誤って撃ってしまわないよう、確実に種類を見極めることも必要です。また、鯨に余計な負担をかけないよう、一発で仕留めることもとても大切。しかも、どれもこれも洋上の船が揺れている状態での作業なのに失敗が許されないので、キャッチャーボート乗組員に選ばれることはとても名誉なことだと言われています。

▲見張り台から下を見下ろすと・・・

中には、「将来はキャッチャーボートの乗組員になりたい」と夢見て、(キャッチャーボートを所有する)共同船舶に入社する人もいるのだとか。しかし、揺れが激しい船の上でも確かに任務を遂行する力量をつけるための訓練中に、音を上げてしまう人も多いのが実情なのです。

では、過酷な訓練を耐え抜き、乗船している乗組員たちはどんな生活を送っているのでしょうか? 後半では、勇新丸および日新丸の船員たちの生活に迫ります!【後編へ続く】

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