耳ヨリくじら情報
10月20日、東京・巣鴨の巣鴨地蔵通り商店街入口に立地する眞性寺(しんしょうじ)境内にて、巣鴨くじら祭り2019が開催されました。
同イベントは、海と海洋資源の大切さを伝える活動を続けている「NPO海のくに・日本」と巣鴨地蔵通り商店街振興組合が共催で毎年開催しているもの。恒例となったイベントへの参加を楽しみにしている地元住民も多いようで、朝からたくさんの人で賑わいました。
午前10時、ちんどん屋「チンドン菊乃家」が会場を活気づける中、まずは鯨缶詰の販売がスタート。大和煮や鯨すじなどの各種缶詰が並ぶ出店を、珍しそうに覗き込んで試食を楽しむ来場者たちの姿が見られました。
そんな中、眞性寺前の路地にどこまでも伸びていく一筋の行列……!
長蛇の列を作っている人々のお目当ては、11時からふるまい開始となったくじら汁。先着1,000名に無料で配布されるとの告知を聞きつけた来場者によって、あっという間に数十メートルにもおよぶ列が出来上がったのです!
配布時間となり、蓋が開けられた大鍋の中には、ニンジン、大根、ねぎ、きのこ類などに加えて、鯨本皮がたっぷりと入った具だくさんのくじら汁。滋味豊富であたたかな一杯が、集まった大勢の人たちのお腹を満たしていきました。
さらに、くじら汁の隣で販売されたくじら飯も大人気。約400ccのフードパックに惜しげもなく詰められた炊き込みご飯(レシピはこちら)が100円ぽっきりということもあり、あっという間に売り切れたほど。中には、1人で複数個購入していく地元住民の方もいましたが、きっと日曜のお昼に家族みんなで楽しまれたのでしょうね。
くじら汁を堪能した人には、北海道釧路市、和歌山県太地町(たいじちょう)、山口県下関市、長崎県新上五島町(しんかみごとうちょう)の4つの「くじらの町」から、くじらにまつわるさまざまなグッズもプレゼントされました。
町のキャラクターの人形、バッヂ、シールなどから好きな一品を選べるため、プレゼント品をあれこれと見比べて吟味する人もちらほら。プレゼントコーナーには、各市町村の紹介パンフレットも用意されていたため、くじらによる町おこしに興味津々でパンフレットを持ち帰る人も見られました。
午後からは、三遊亭金八師匠によるくじら寄席の他、事前に募集されたくじら川柳の大賞発表もおこなわれました。「一匹を みんなで 食べれば何人分」「使い切る くじらに感謝と リスペクト」など、一頭でたくさんの人のお腹を満たしてくれるだけでなく、油やひげまで活用できる鯨の有用性を詠んだものから、「ベーコンと いえば鯨の はずだった」とその昔食べたくじら料理を懐かしむものまで、今年もたくさんの川柳が紹介されて会場が沸き立ちました。
来年の開催も、今から楽しみですね。