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【焼津】静岡県立漁業高等学園(阿久津哲也園長)で7月15日、将来にわたって捕鯨と鯨食文化を若い世代へ継承していく「捕鯨について考える」授業が行われた。
当日は日本捕鯨協会で国際対策を担当する松田彩アドバイザーが、同学園の生徒11人に写真や動画なども交えて分かりやすく捕鯨の現況などを話した。生徒との対話を通して説明する姿勢は好評で、将来の水産業を担う意欲的な生徒は熱心に授業に耳を傾けた。

また、松田氏の授業のあとには、北海道オホーツク産のナガスクジラの赤肉と本皮の味噌漬を試食した。鯨肉は共同船舶(株)(所英樹社長)と(株)g―next(多田雅彦社長)が協力した。
赤肉はg―nextが色変わりなどを抑え、軟らかさも保つ独自の処理をした商品。味噌漬も試行錯誤を重ね、同社が商品開発した。

初めに松田氏は授業で、生徒に「クジラと聞いて思い浮かべるものは」と聞いて自己紹介をしてもらいつつ、意見交換した。
生徒からは鯨食などの話よりも、「クジラは大きい」「マッコウクジラとダイオウイカの戦い」など、生態についてのイメージの話が多かった。
「竜田揚げを思い出す人も多いかと思ったが、食べた人が非常に少ない」と聞いて驚いた松田氏。自身も自己紹介し、海外に行くと「日本人はなぜクジラを食べるかと聞かれることがあった。海外の人には日本人はクジラを食べるというイメージがある。かわいそうだと思わないかと言われたが、鯨食文化について疑問を感じ、調べることにした」などと話した。
続いて世界や日本のどこでクジラが捕獲されているかを説明。アイスランド、ノルウェー、グリーンランド、フェロー諸島、カリブ海のセントビンセント・グレナディーン、インドネシアなどを紹介。
また、日本での捕鯨では母船式と基地式の2つの操業形態があることを説明。 母船式は、大型船の中が加工場になっていて、キャッチャーボートが捕獲したナガスクジラ、ニタリクジラ、イワシクジラを解体処理。一部を除き冷凍販売すること。基地式は比較的小型の捕鯨船で、ニタリクジラとミンククジラを捕獲し基地まで運搬。陸上で解体、主に生鮮で販売していくことなどを話した。
母船式については映像でも説明。遠洋航海などへの就業を希望している生徒は、艦橋や機関部での仕事などについて熱心に動画を見ていた。
このほか授業では捕鯨をめぐる国際交渉などの話も行われた。


赤肉、本皮の味噌漬とも、一人各3切れ程度ずつ試食。阿久津園長をはじめ、教職員も生徒とともに鯨肉を試食し改めて鯨食文化を共有した。
授業を受けた生徒は、「捕鯨の方法など動画で分かりやすく理解できた」「世界の捕鯨などにも興味をもった」「(先住民生存捕鯨などもあるが)米国や英国などが反捕鯨国だと分かり驚いた」「捕鯨の歴史を知り、引き続き捕鯨文化を大事にしたいと考えた」「船上で大きなクジラを解体、冷凍処理をしていると聞いて大型船だと思った」などといった感想が話された。
また、鯨肉を試食した感想として、「本皮の味噌漬は脂がたっぷりで、サクサクとした食感、歯切れのよさがおいしかった。赤肉も軟らかかった」「赤肉は臭みもなくおいしかった」「本皮は脂が多過ぎて苦手。赤肉をまた食べてみたい」「竜田揚げを食べてみたい」といった感想が寄せられた。
短い時間ではあったが、生徒は捕鯨および鯨食文化について改めて関心と理解を深めた。