ザトウクジラ遭遇率98%! 沖縄でホエールウォッチングを楽しむなら3月までがベスト! | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2023.02.15

ザトウクジラ遭遇率98%! 沖縄でホエールウォッチングを楽しむなら3月までがベスト!

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これからホエールウォッチングを体験したい人にも、ホエールウォッチングが大好きで何度も体験している人にも、今の時期おすすめしたいのが、沖縄でのホエールウォッチング。12月末~4月初め頃にかけてが見ごろで、主にザトウクジラを見ることができます。今回、沖縄の冬を代表する人気アクティビティであるホエールウォッチング会社の中から、沖縄のマリンスポーツ専門店「トータルマリンスポットNEWS」の荒木さんに、沖縄のクジラについて教えてもらいました。

(船から撮影したザトウクジラ)

――ホームページでは「ザトウクジラの遭遇率過去平均98%」と謳われていますね。
「そうです。中南部で遭遇できるのはほぼザトウクジラですが、過去にはマッコウクジラの目撃例もあります。時期によってクジラの頭数に差はありますが、シーズン中の出没率はとても高く、特にピークである1月下旬から3月上旬にかけては頭数もかなり多いです。ただ、観光客が一番多いのは年末年始と春休みです。あと、プロ野球のキャンプシーズンは、午前中にホエールウォッチングして午後は選手たちの練習を見に行くという方も多いですね。全国の方にとって、沖縄のホエールウォッチングは冬の風物詩のようなところがあるみたいです。でも、沖縄県民は、県内でホエールウォッチングできること知らない人が多いんですよ。“TVで観て初めて知って、興味を持って来てみた”と明かしてくれる県民もいます」

――沖縄の方が知らないとは意外です!

「私は県外から移住してきたのですが、私自身も元々は知らなかったです。弊社はホエールウォッチングを提供して約15年なのですが、その当時、周りでホエールウォッチング事業を展開していた会社はとても少なくて、全部で3~4社程度でした。なぜ、そうした状況のなかでホエールウォッチング事業をはじめることにしたかというと、マリンスポーツの需要がない冬季に、船を使用したメニューがあるのではと考えたからです。そこで、周りの業者と情報交換しながら事業を開始することになったのですが、今では同業者も増えて、みんなでLINEを使って情報を共有しながら、沖縄のホエールウォッチング活性化に勤しんでいます」

(ザトウクジラのテールステップ)

――ホエールウォッチング事業を通して初めて知ったクジラの魅力は?

「最初にザトウクジラを目の当たりにした感想は、“イメージしていたより大きい”でした。あれから15年経った今ではクジラは見慣れていますが、それでもやっぱり大きいと思うし、その大きさや迫力に圧倒される気持ちは薄れていません。参加してくださるお客さまたちも同じように感じるみたいで、クジラに逢えた感動を言葉にしてくれますし、なかには“野生動物に本当に逢えるとは思わなかった”とおっしゃる方もいます。ホームページにも遭遇率を明記していますが、それでも実際に逢えるまでは不安に思っている方も多いようです。でもそのぶん感動もひとしおということですし、喜んでいるお客さまを見ると私たちもうれしくなります」

(クジラが呼吸している様子)
(船に近づいて一緒に泳いでいる様子)

――クジラたちのどのような様子を見ることができますか?

「呼吸をするために海面に浮上するクジラの身体の一部が見えるのが基本で、海中に潜っていくときであれば尻尾が上がっていることもあります。一番レアな行動としては、クジラのほうから船に近づいてくることがあります。そういうとき船はエンジンを切って風に流されるままの状態にするのですが、クジラもそれについてきて遊んでくれるんですよ。そうするとクジラの全体像を近くで確認することができるので、ますます大きさに圧倒されます。人間が好きなのか船が好きなのかはわからないですけど、なにかしらの興味があるんでしょうね」

(「Z」と呼ばれているクジラ)

――特徴的な行動を取る個体などは、次に逢ったときに「あ! あの子だ!」とわかるものですか?
「一番特徴的なクジラとして有名なのは、“Z(ゼット)”と呼ばれている個体がいます。尾びれの部分に、アルファベットのゼットのような模様があります。Zは他の個体に比べてかなり大きいので、カレが出没すると船のうえが一気に慌ただしくなります。優雅に泳いでいる親子クジラと船の間に、ぶわーーーっと姿を現すこともあるので、「Zが出たぞ!」ってザワザワしますね(笑)」

(くじらの歌を聴いている様子)

――ホエールウォッチング中に、クジラのうたが聴けることはありますか?
「ありますよ。クジラたちは、一般的に“クジラのうた”と言われる、鳴き声のようなもので求愛行動をしているらしいのですが、船から水中にマイクを入れることで、直接その音を聴けることがあります。聴くときには音に集中できるよう、船のエンジンは消します。ただし、うたが聴こえる確率は高くはないので、お客さんには、過去に録音したものなどを流すことで聴いていただくことが多いです。また、写真が撮れなかったお客さまなどのために、“その日現れたクジラのベストショット”を無料でダウンロードしていただけるサービスも提供しています。過去のベストショットもダウンロードしていただけるので、旅の思い出として楽しんでほしいですね」

(荒木さん)

――沖縄にはホエールウォッチングツアーを提供している専門店がいくつかあるかと思いますが、そのなかで「トータルマリンスポットNEWS」ならではの魅力はどんなところにあるのでしょうか?
「私たちは、沖縄本島の中南部地区(那覇~読谷)においてホエールウォッチング事業を展開している業者の集まりである『中南部ホエールウォッチング協会』に属しています。中南部地区でのホエールウォッチングの大きな魅力として、まずは立地のよさが挙げられます。那覇空港から約10分の非常に近い港から出航するのですが、世界的に見ても、あの規模の空港からすぐのところで野生動物に逢えるのは珍しいと思います。座間味島のホエールウォッチングもがありますが、那覇から座間味まではフェリーか高速船で渡航することになるため、そのぶん時間や旅費もかかります。そうした時間的・金銭的負担を心配する必要がないぶん、到着日や帰る日でも気軽に楽しんでもらえますし、送迎サービスも提供させていただいています」

――クルージングでホエールウォッチングをするにあたって何に注意すればいいですか?
「ホエールウォッチングは年齢制限がなく、小さなお子様から年配の方までご参加いただけるので、ぜひたくさんの方にご参加いただけたらと思っています。ご参加の際は、海に出ると陸上とは違って冷えることがあるので、あたたかい季節でも羽織るものをご持参ください。また快適なクルーズのため、酔い止め薬があるといいですね」

――最後に今後の展望を聞かせてください。
「ホエールウォッチング事業者それぞれで協力し合いながら、クジラたちが毎年沖縄に帰ってきてくれるように環境を守り続けていきたいです。クジラは野生生物のため、環境が変化すれば行動も変わることがあるので、クジラたちに“帰ってきたい”と思ってもらえるようなキレイな海を保っていけたらと思っています」

トータルマリンスポットNEWS
住所:沖縄県那覇市金城3-7-2
電話番号:098-891-9090
営業時間:8:00~20:00

写真提供:トータルマリンスポットNEWS
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