沿岸小型捕鯨の基地・鮎川を視察するエクスカーションを実施。参加者は『おしかホエールランド』や鯨解体場を見学 | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2021.12.01

沿岸小型捕鯨の基地・鮎川を視察するエクスカーションを実施。参加者は『おしかホエールランド』や鯨解体場を見学

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2021年の「全国鯨フォーラム」開催地となった宮城県石巻市で、フォーラム翌日、沿岸小型捕鯨の基地港である鮎川を視察する「エクスカーション」が催されました。

石巻駅から出発したエクスカーションのバスがまず向かったのは、クジラの生態や特徴および牡鹿半島のクジラ文化を楽しく学ぶことができる『おしかホエールランド』です。入口を通るとまず初めに大きなマッコウクジラの全身骨格標本がお迎えしてくれます。

地球上に存在する全90種類のクジラのイラストが描かれた壁面、大海原を回遊するダイナミックなクジラの映像、日本有数のマッコウクジラの標本、希少種であるコククジラの幼体骨格標本など、見て楽しむことができる仕掛けがいっぱいなのはもちろん、学芸員に質問もOKの魅力的なスポット。

小さな漁港・鮎川浜が日本屈指の捕鯨基地になるまでの変遷を大年表で確認できるコーナーには、東日本大震災の被害を免れた貴重なクジラ関係資料も展示されています。

また、小さな子どもも楽しめるよう、クジラの塗り絵が用意されているなど、うれしい工夫がいっぱい。家族みんなで充実した一日を過ごせますね。

また、隣接する観光物産交流施設『cottu』には、クジラ肉をはじめとする鮎川の名産などがとりどりに並ぶ売店や食事処があるので、お土産選びも食事休憩も思いのまま。鯨歯工芸の制作・販売をおこなう「千々松商店」も見逃せません!

充実の施設を存分に堪能した後は、建物そばに設置された捕鯨船「第16利丸(としまる)」に乗船して船内を見学できます。ただし、“乗船”といっても、第16利丸は昭和33年に大洋漁業の大型高速捕鯨船の1番船として建造されて活躍後、昭和62年に最後の操業を終えているので、動くことはありません。安心してデッキに出て、高い位置から鮎川の海を見渡すことができます。

エクスカーション当日は、この展示船をバックに地元の小学生が、牡鹿の伝統芸能である「牡鹿銀鱗(ぎんりん)太鼓」を披露。力一杯バチを振るい、集まった人々を沸かせました。

その後、一行鮎川に事業所を構える「鮎川捕鯨」の鯨解体場へと移動。

解体の様子を大画面で観賞。上映後には、解体場内にあるウインチや大包丁をはじめとする道具などについて従業員たちに熱心に質問する参加者の姿も見られました。

「全国鯨フォーラム」の開催と合わせて決行となったエクスカーションですが、石巻ではそのほかにも、クジラ業界を盛り上げるための催しを実施。11月10日から11月30日にかけて、クジラ料理をお得に楽しめる「石巻くじらフェア」を開催するなど、街全体が一体となってクジラの魅力普及に取り組んでいました。

「全国鯨フォーラム」は来年以降も毎年持ち回りで開催予定ですが、今後もフォーラムをきっかけにクジラファンが増えていくことが期待できそうです。近くで開催の折には、フォーラム期間に合わせて観光を楽しむのもアリ。もちろん、フォーラム以外でもさまざまなクジライベントが随時開催されているので、気になる人はぜひチェックしてみてくださいね。

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