『第6回ジャパンドローン展』で、鯨類調査に活用される小型UAV『飛鳥』がお披露目へ(インタビュー動画更新) | 耳ヨリくじら情報 | くじらタウン

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2021.07.14

『第6回ジャパンドローン展』で、鯨類調査に活用される小型UAV『飛鳥』がお披露目へ(インタビュー動画更新)

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農薬散布から災害時の被害確認まで、ここ数年、ドローンの可能性は飛躍的に高まっています。さらに最近では、ドローンを使った出前までの実用化に向けて実証実験を重ねていることなどもたびたび報道されていますし、「今後もドローンの展開から目が離せない」と注目している人も多いのではないでしょうか? そこで今回ぜひ紹介したいのが、2021年6月14日から3日間千葉県・幕張メッセで開催された『第6回ジャパンドローン展』でお披露目された小型UAV(無人航空機)『飛鳥』です。一体どんなものなのか、さっそくご紹介します。

開発スタートは2019年。鯨類調査に必要な機能を精査しながら開発を進めてきた

まずは、『飛鳥』の開発の経緯について説明します。

小型UAV『飛鳥』の開発が着手されたのは2019年のこと。(一財)日本鯨類研究所が、これまでとは異なる、新しい鯨類調査手法への活用を目標に開発をスタートしました。とはいえ、既存のものとは一線を画す画期的なUAVの開発を実現しようと思ったら、技術者たちの知恵やアイディア、匠の技を拝借することが不可欠。そこで、鯨類調査に関してのスペシャリストである日本鯨類研究所が、「これまでの調査はどんなふうにおこなわれていたか」「鯨類調査にドローンを活用するなら、どんな動きやどんな機能が求められるのか」を技術者たちに伝えながら、一丸となって開発を進めることで、まったく新しいタイプのドローンを生み出したのです。

調査船では進めなかった流氷の間にいるクジラについても、ドローンがあれば調査できる

ここで一度、現状の鯨類調査について解説します。

現在にいたるまで、鯨類の目視調査は、熟練した「目視観察員」によっておこなわれています。調査名通り、船上から目視で調査をおこなうため、目視の限界、観察員不足など課題がありました。

しかし、『飛鳥』が実際に使われるようになると、それらの心配をする必要はなくなります。それどころか、これまで調査船では入り込めなかった、流氷が入り組んだ先にまで進み、空からクジラたちの様子をキャッチすることができるのです。

走行中の船のデッキから離発着可能

しかも、『飛鳥』には2つの大きな特長があります。

1つめは、走行している調査船のデッキからでも離発着可能なこと。海上の強風に耐えうる耐航性を有しており、なんと風速10~15m/sの強風が吹いていても安定した運用することができます。

51kmもの自律飛行が可能だから、長距離でも追跡できる

そして2つめは、長大な航続距離・テレメトリーによる追跡が可能だということ。2021年3月には、北太平洋上にて51kmの自律飛行に達成しているのです。

また、愛知県・三河湾にて、実際に『飛鳥』を使って小型鯨類であるスナメリの航空目視調査を6回実施したところ、搭載ビデオカメラによって3群4頭のスナメリを発見および識別することにも成功。この調査における総飛行距離は71kmで、6回の調査ではいずれも、走行中の調査船のデッキからの垂直離発着に成功しています。飛ばす際に飛行場を必要とせず、船舶に搭載が可能であるため、世界中の海洋での調査に対応。今後、『飛鳥』の活躍によって、これまで知られていなかったクジラの生態が明らかになることもあるに違いありません。新しい発見が世界中に届く日が、今から楽しみでなりませんね。

まだ「飛鳥」は開発途中とのことで、2022年3月の調査までには完成を予定しているとのことです。

■日本鯨類研究所・資源管理部門  高橋萌さん インタビュー動画

他、 勝俣太貴さん  インタビュー動画はこちら

■飛鳥の飛行映像はこちら

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