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2020.07.08

【指定鯨類科学調査法人/一般財団法人 日本鯨類研究所所蔵クジラアイテム】Vol.2クジラの歯を原料とする工芸品編

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日本鯨類研究所が収蔵しているクジラアイテムを紹介する連載第2回目。今回は、クジラの歯を原料とする工芸品をご紹介します。

「クジラの歯」と聞いて、1本の大きさがどのくらいで、どのくらいの本数があると想像しますか? 正解は、鯨種によってまちまち。しかも、歯が生えている鯨種は、全86種類のうち「ハクジラ」と呼ばれる75種のみで、残り14種の「ヒゲクジラ」には一切歯は生えていません。

歯が生えている鯨種の中で代表的なのは、マッコウクジラ。20~30本ある上の歯は基本的に顎に埋没していますが、下の歯は40~50本生えています。ちなみに、アカボウクジラは下の歯が2本で上の歯は0本、ツチクジラは下の歯が4本で上の歯は0本、オオギハクジラは下の歯が2本で上の歯が0本とされているので、マッコウクジラはかなりたくさん歯が生えていることがわかりますね。

続いて歯の大きさですが、これも、鯨種や個体の大きさによってまちまち。大きいものだと、なんと重さにして最大1キロほどあるのだというから驚きですよね。もちろん、歯が大きくて立派であれば、その分、創作の幅も広がります。

クジラの歯を使った工芸品として有名なのが、アメリカ・マサチューセッツ州で生まれた伝統工芸品「スクリムショー(scrimshaw)」です。スクリムショーとは、捕鯨や海に関わる職業の人が、クジラの歯や顎の骨などを材料に創り出した装飾品のこと。捕鯨船上で創られているものを指す言葉のため、アメリカで捕鯨が禁止となって以降は創られていないことになるので、コレクターにとっては大変貴重な品です。

こちらのスクリムショーは、大人の手のひらにぴったり収まるくらいの大きなサイズ。

イラストには、「20th NOV 1759 King GeorgeⅢ」などの文字が添えられているので、制作年度や描かれたモチーフがわかります。

一方、日本でもクジラの歯を使った工芸品は独自に発展を遂げていきました。かつては全国有数の捕鯨基地であった宮城県石巻市などには、今でも、全国での実演販売会をおこなう工芸店が存在しています。

こちらは、クジラの歯を削って龍をデザインしています。

丈夫な歯が土台になっているから、細かなところまで表現することができますね。

こちらはやや黄みがかかった歯に彫られた龍のペアです。それぞれに味があります。

太さも長さも色も異なるから、一本一本に合ったデザインを考えるのも楽しそうですよね。

最後に紹介するのは、とぼけた表情がなんとも愛らしいペンギン像。クジラの歯から生まれたペンギンだなんて、それだけでも微笑ましい気持ちになりますね。

イラストが描かれたものから丁寧に彫られたものまで、クジラの歯を材料とする置物はバラエティ豊か。インターネットでもいろんなスクリムショーや日本製の工芸品がヒットするので、興味のある人はぜひ調べてみてくださいね。

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